コールセンターは稼げる?稼げない?
コールセンターは今も昔も、多くの人が選ぶ職業の1つ。
一方、そんなコールセンターの収入に関する世間的な声として、稼げないという話も耳にします。
私自身、「ほぼ最低賃金なのに、ひたすら電話を取らされて稼げない」「応対が長引いても残業代が支給されないため稼げない」という声を友人から聞いたことがあり、従業員にとって稼げない運営をしているコールセンターは実際に存在しているのだと思います。
ただし、コールセンター=稼げないという認識は正しくありません。
私は、現在進行形でコールセンターのセンター長をしているのですが、センター長(正社員)である私はもちろん、派遣社員、契約社員、アルバイトなど、雇用形態にかかわらずほとんどのオペレーターはコールセンターのみで生計を立て、申し分ない暮らしができています。
豪華な暮らしができている訳ではないと思いますが、稼げないコールセンターを見極めることができれば、コールセンターのお仕事で生活ができます。
この記事では、コールセンターで働くことに興味がある、あるいは現在もコールセンターで働いているけど稼げない、と感じているみなさんに向けて、
- コールセンターだけで稼げない理由
- コールセンターで稼ぐためのポイント
を解説させていただきます。
筆者のプロフィールとしては、新卒入社で入った会社のコールセンター配属となり、複数のコールセンターを経験し、現在はコールセンター長としてオペレーターの管理や採用などを行っています。
日々のお仕事の中で感じた、「稼げるコールセンター」と「稼げないコールセンター」の違いをお伝えしていくので、生の声として参考にしてみてくださいね。
「コールセンターが稼げない」と感じる人がいる理由3選
まずはコールセンターが稼げないと感じる人がいる理由を3つご紹介します。
1.昇給、昇格の制度がない
コールセンターにかかわらず、未経験からお仕事を始める場合、給与は低く設定されますよね。未経験から始め、スキルや経験を身に着けることで昇給、昇格が見込めます。
しかし、コールセンターの中には昇給や昇格が全く見込めず、何年働いても稼げないことがあるのです。
昇給がなく稼げないコールセンターの例をあげると、
- 業務の難易度が低く、スキルが必要ない
- 会社として、昇給や昇格の制度が置かれていない
上記のようなコールセンターにいる場合、いつまでも低い時給で働くことになってしまう危険性があります。
業務の難易度が低いのは、考え方によっては楽なので悪くはない話かもしれません。しかし、コールセンターで稼げないことに悩みを持っているのであれば、異動や転職を考える必要があるかもしれません。
また、業務の難易度は高くても、給与が低く昇給や昇格の制度を設けてくれないコールセンターもあるかと思います。もともと給与が高いのであれば業務に見合った待遇かと思いますが、「業務の難易度や自分の貢献度の割には稼げないな」と感じる場合、今と同じコールセンターに居続けるともったいない思いをしてしまう可能性があります。稼げないコールセンターから脱出し収入を上げたい気持ちがあるのであれば、転職を考えるのも選択肢の1つです。
2.コールセンターの営業時間が短い
基本的に、給与は「時給×労働時間」で決められています。月給制であっても、月給の決定においては労働時間が判断軸です。
1つ目のポイントは「基本給」の部分に該当していましたが、コールセンターで稼げないと感じる人は、「労働時間」にも改善の余地がある可能性があります。
そしてこの理由は、コールセンターでは特に該当するかと思います。というのも、コールセンターには、必ず営業時間が設けられており営業時間外には基本的に業務が発生しません。
飲食店やショップも、同じく営業時間が設けられていますが、飲食店には仕込みや締め作業、ショップには在庫整理や清掃など、営業時間外の仕事があります。
しかしコールセンターは、営業時間外の仕込みなどはなく、締め作業は管理業務を担当するメンバーが担当するため、オペレーターの労働時間は、営業時間が短いコールセンターだと平均より短くなってしまいがちなのです。オフィスワークになるため、清掃もビルの業者が入ることが多いです。
そのため、営業時間の短いコールセンターである場合、時給が高く設定されていても稼げないのです。
逆に、コールセンターには24時間営業/土日祝も営業する場合があります。
夜勤に抵抗が無ければ深夜の高時給でお仕事ができますし、GWや年末年始など、長期連休もいらない!という方であれば、祝日出勤で稼ぐこともできるでしょう。
コールセンターで稼げないと思っている方は、自分に合った営業時間のコールセンターを探すのも1つの手かもしれませんね。
3.シフトを入れてくれない/融通が利かない
この理由も、「労働時間」に改善の余地がある例です。
フルタイム固定でコールセンター勤務されている方には、関係のない理由ですので読み飛ばしていただいて結構です。
コールセンターには、パートタイムや派遣、アルバイト等でフルタイムではない働き方をしている方も多くいます。
特に学生にとっては、「学生禁止」のアルバイトも多い中、コールセンターは学生OKであることも多く、飲食店やコンビニなどよりも時給が高いため魅力的なアルバイト先だと思います。(学生時代、私の友人も多くコールセンターで勤務していました)
しかし、どんなに時給が高くてもシフトを入れにくいコールセンターであれば、稼げないという結果になってしまうのです。
シフト希望を柔軟に受け入れてくれるコールセンターなら問題ありませんが、コールセンター側の調整によって希望していたよりもシフト時間が短く/少なくなってしまうと、収入は減ってしまいます。
特に、隙間時間を使ったいわゆる「時短シフト」は禁止とするコールセンターもあるため注意が必要です。隙間時間を有効活用できず、シフト日数が減ると稼げない働き方になってしまうので、シフトの融通が利くかはあらかじめ確認が必要ですね。
コールセンターが稼げないとされる理由は、以上です。
結論として、コールセンター自体が稼げない訳では決してなく、コールセンターが稼げないのはあくまでも「稼げないコールセンター」を選んでしまっているからだと私は思っています。
コールセンターできちんと稼ぐための見極めポイント
では次に、稼げないコールセンターを見極めるポイントをご紹介します。
1.能力や経験を評価してくれるコールセンターを選ぶ
コールセンターが稼げない理由に直結しますが、コールセンターを選ぶときは「きちんとした評価制度があるか」を条件に入れておきましょう。
最初の時給が良くても、そこから昇給が見込めないのであれば将来的に多く稼ぐことは厳しいです。逆に、最初の時給はそこまで高くなくとも、求人票に「昇給あり」「昇格あり」などと書かれている場合は、評価制度があり成長に合わせて昇給や昇格が見込める可能性があります。
また、最初は非正規雇用で応募することも多いかと思いますが、その場合は「正社員登用あり」という条件も見ると良いでしょう。正社員になれば、収入はもちろん福利厚生などの面でも安定性があるので、参考にしてみてください。
2.経験を積み、転職を重ねる
昇給、昇格がある会社であっても、昇給の金額はそれぞれです。中には、昇給額が少なく結局稼げない、という会社も存在します。
そこでおすすめなのが転職です。どんな職種であっても、業界の経験があると待遇はあがります。職場環境やお仕事の内容は変わってしまいますが、同じコールセンターにいても稼げない状況が続きそうなのであれば、思い切って待遇の良い別のコールセンターを探してみるのもありかと思います。
また、コールセンターが未経験の場合、応募できる求人票が「未経験OK」というものに限定されてしまうため、最初は時給が低く稼げない状況になってしまうかもしれません。しかし、その後の転職によって給与をあげることができます。
始めたばかりで稼げないのはどんな職種であっても同じなので、転職も活用したキャリアアップを目指してみてください。
※ちなみに、コールセンターは非正規雇用から正社員になりやすい職種だと私は感じています。
コールセンター正社員の実態について書いた記事もあるので、参考にしてみてください。
3.ボーナスや手当の支給有無を確認
コールセンターが稼げないと感じる理由には、ボーナスや手当の有無もあるでしょう。これがあるかないかで収入はかなり変わってきますので、求人票をみる際には「ボーナス(賞与)」、「手当(インセンティブ)」があるかは確認すると良いでしょう。
ボーナスといえば正社員のイメージが強いかもしれませんが、企業によっては、非正規雇用でもボーナスが支給されることがあります。
また、電話をかける発信コールセンターの場合、契約獲得数などの成果によって手当(インセンティブ)が支給されることもあります。成果を求められるので厳しいと感じる人も多いかとは思いますが、「自分の成果に応じた収入がほしい!」と考えている方は、手当も条件に入れておくと良いでしょう。
4.営業時間や、シフト条件が自分に合ったコールセンターを選ぶ
こちらのポイントもコールセンターが稼げない理由に入れていたものですが、「営業時間」と「シフト条件」は必ず確認が必要です。
例えば、「営業時間」が10時~16時の場合、昼休憩を除くと5時間しか勤務ができません。安定的に稼ぎたい場合は、8時間程度の勤務ができる営業時間のコールセンターを選ぶ必要があります。営業する曜日についても、土日祝に働けるのであれば、土日祝営業のコールセンターを選ぶと自分に合った働き方で安定した収入を得ることができますよね。
また、「シフト条件」も重要です。
例えば、フルタイム勤務だけでなく予定のある日であっても隙間時間で時短勤務をしたい場合、「1日2時間~OK」などという記載がないと、時短勤務は受け入れてもらえない可能性があります。
時短勤務がないと、予定より稼げない結果になってしまうため、事前に確認をしておきましょう。
稼げないコールセンターを選ばないために
稼げないコールセンターについての解説は以上です。
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